My読書「漱石全集を買った日」

漱石全集を買った日」山本善行×清水裕也 夏葉社 読了。めちゃくちゃ面白かった。古書善行堂を営む山本さんと、その客で古本好きな清水さんことゆずぽんさんとの対談。古本病患者、という聴き慣れない言葉が、読み進めていくうちに納得できていく感じがおかしくて楽しくなってくる。単なる古本好きのガイド的な対談と思いきや、本に対する愛情が溢れていて読んでいて爽快ですらある。ゆずぽんこと清水裕也さんのあとがきのある文を、二度目に読んだとき、思わず泣いてしまった。引用させていただく。

〜書かれた文章というものは、たとえ他人が価値を見出すことがなくても,世間に認められず忘れられていったとしても、多かれ少なかれ,書いた人間の生きた時間が土台となり、そこから生まれ出た考えや思いが込められているはずである〜

そんな風に本と向き合って古本屋で本と出合い,作者と出合い、読書を続けるゆずぽんの生き方、言葉に感動したし、古本屋店主山本さんの本への愛着の深さに胸が熱くなったし、私自身も昨今、そうやって本と向き合っている事を確認出来たのが何より嬉しかった。又読み直すのだろう。素敵な対談本に出合えて嬉しい。夏葉社さんはいい本作るなぁ。ありがとう。